気功整体の効果とは?ブラセボをネタに検証してみた
今回は、整体など代替医療につきものの「ブラセボ」をネタにしながら、
残念な「気功整体」についてお話します。
気功整体に限らず、いたるところに共通した残念な「思い込み」があるので、
整体に興味がない方も読んでみてください。
また、古代中国の呪術「祝由」を例に、
有用な本当のブラセボの使い方も記載しました。

その薬、大丈夫・・・?
魔術の世界から科学の世界へ

まず、ブラセボとは「偽薬」のことで、
ブラセボ効果とは「思い込みによる効果」です。
ブラセボは場合によってはめちゃくちゃ強力なんですが、
やはり諸刃の剣でもあります。
例えば「う~ん、風邪ひいちゃった。」
と、薬と思い込んでラムネを飲んだとして、
確かにラムネが効いて楽になったとします。
それはそれですごい効果なんですが、
それはちょっとした風邪の場合だからこそ。
これが命に関わるような大病の場合、
ホメオパシーのレメディーとか、
(これから書く)気功整体など、
治療をしたという思い込みで一時的に良くなったような気がしても、
病気は確実に進行しているわけです。
※レメディーとは、不思議の国のお薬です。
妄想がすぎる整体などの代替医療の世界は、
まるで歪んだ宗教観が支配していた中世ヨーロッパみたい。
「神」という唯一無二の世界観から、
「蒸気機関」ができたとたん、
「祈ってる場合じゃないよ。」
「学ばないと。働かないと。」
となったわけです。
産業革命が、
人々を魔術の世界から科学の世界へと導いてくれました。
同じく、
民間療法の信憑性にはエビデンスが必要だと思うわけです。
では、まず、
思い込みが残念すぎた例を見てみましょう。
フルボッコにされた柳龍拳の思い込み

あなたはこんな武術家を知っているでしょうか?
手も触れず相手を倒す“気“の達人を。
ずっーと以前、テレビ番組で、
まるでオーケストラの指揮者のようにクィっと手首を返しただけで、
束になって向かってくる弟子たちを倒していく気の達人がいました。
手も触れずというより、
屈強そうな弟子たちが、
触れることもできずに“気功パワー“で次々となぎ倒されていく圧巻の光景。
まさに、「そんなバナナ・・・」です。
うさんくさいな~。
ホントかな~?
と半信半疑のまま忘れていたのですが、
ある本の中にそのことが書かれていました。
自分の能力を証明するため総合格闘家との他流試合を受けた柳氏。
しかし、
試合では気がまったく通じず、
一方的にボコられ一分足らずでノックアウトされました・・・。
では、なぜ、
柳氏はそんな能力もないのに対決を受けたのか?
それは「思い込み」です。
柳龍拳の誤った思い込みがどのような経緯で生じたのかわからないが、一たび誰もがこぞって転びだすと、彼の妄想がどのように維持されたかは容易に想像できる。
残酷すぎる成功法則 飛鳥新社より引用
柳の視点になって想像してみよう。
もしかしたら自分は、少し離れた敵を倒すことができるのではないかと考えていたとする。
すると弟子たちが見計らったように倒れるようになり、それが何年も続き、自分には本当にそうした能力があるのだと信じ始めたのかもしれない。
自信にあふれた思い込みも、
物理学・生理学の法則を曲げるほどの力にはなりませんでした。
PS.
超魔術!!!
「きてます。」「ハンドパワー。」
で一世を風靡したMr.マリック氏は、
「あれ、手品です。」
とカミングアウトしてましたよね。
「きてます。」と言いながら、
「なにがきてるんだろう?」という自問自答、
苦悩の日々だったとおっしゃっていました。
”他者を欺く者は、自分自身をも欺く”。
空虚な自己欺瞞に陥るのです・・・。
残念すぎる、気功整体

整体業界でも残念なことがあります。
なにが残念なのかというと、あまりにも妄想的な発信をしている人が多いいのです。
その一つが「気功整体」でしょう。
さきほどの柳氏は気功整体もしているようで、気で難病を治すとのこと。
私は“気“の存在を頭から否定する気はありません。
ただ、気とは神秘的なエネルギーではなく、相手の“気持ち“に寄り添うことだと思っています。
そうすることで確かに尋常ではないパワーが発揮されることもあるはずです。
「病は気から」といいますし。
その正体は“共感“であって、
「今からものすごい気を送りますよ~。」
ってものではないんですよ。
本当にただ「神秘的なエネルギーで治します!」
というのなら、
私は気功整体なんて100%受けなくていいと思っています。
テレビやネットの情報にどっぷりつかると忘れてしまいがちですが、
「そもそも(鍼灸の概念でもある)気ってなに?」
って感覚の方が正常ですよね。
証明しようがないもの、ですから。
「科学で証明できなくても、信じない人が多くても、あるものはあるんだよ!」
もちろん、この考え方が必ずしも間違いだとは思いませんが、
ずっとその発想でいくとまた魔術の世界(暗黒の中世)にたどり着くと思うのは私だけでしょうか?
占いのように利用する側が適度に楽しむのはいいと思います。
でも、スピリチュアルなフレームの中でしか整体を考えられないなんて、
整体師としてはイマイチですよね・・・。
祝由に学ぶブラセボの使い方

じゃあ、ブラセボは淘汰されるべきものなんでしょうか?
いやいやいやいや、そんなことはありません!
ブラセボは使い方によってはとても有用な手段になります。
以前みた中国のドラマに、
祝由(しゅくゆ)という、
古代中国の治療法がありました。
本当にあった治療法で、
祈祷や霊符を用いるというんですから怪しさ満点です。笑
さっきまで「魔術なんてない!」
と言っていた私が押す治療法とは思えません。
この“女医明妃伝“の中でも主人公の師である道士が言っていました。
「人々は言う、祝由なんてまやかしだろう。」
「だが違う。皆、知らないのだ。」
と・・・。
祝由のキモは、「暗示」を使うことにあります。
例えば、生まれつき虚弱で甘やかされて育った子には、
呼吸法で内臓を鍛えさせればいい。
そこで言葉を出しながら走らせたいけど、
いきなりそんなことをやれと言っても信じない。
そこで仕込んでおいた霊符を使い、
魔除け(マジックショー)を見せて「さすが天師さま!」と信じ込ませる。
そのとき神薬と称して安価な偽薬を売っていました。
いきなり高価な薬を飲ましても治らないからです。
信頼により強力なブラセボ効果を引き出す狙いですね。
そして、少しずつ体調が整ったところに薬を処方してやれば病は自然と消える。
これが医学書にある「信こそ医なり!」
こんな感じでした。
道士が言った、「皆、知らないのだ。」
から言えることは、ブラセボは善にも悪にもなり、それは使う者の心次第。
気功整体をするんだったら、
科学の法則をねじ曲げる妄想をするのではなく、
暗示として使えるようになればいいんじゃないでしょうか?
まとめ
人の脳は現実とフィクションを見分けるのが得意ではありません。
ある場面では最強であり、
ある場面では最弱のブラセボ。
それは使う者の心次第!というお話でした。
気功整体を受けてみたいと思っている方は、
気功整体という無意味な枠に縛られず、
整体の本質的な部分を直視した方がいいと思いますよ。
ぜひぜひ、
このサイト内の気になる記事を読んでみてください。
⇒https://olive1.com/blog/
ではでは、最後まで読んでいただきありがとうございました!
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