オイル整体(マッサージ)とは?正しい知識と効果
オイル整体(マッサージ)について、正しく解説してまいります。
オイル整体はとても優れた「心身をほぐすための手段」です。
リラクゼーション効果だけではなく、それこそ体をほぐす効果でも従来の整体を凌駕するほどの力を秘めています。
今回はそんな「ほぐし&癒し」の強力なメソッドであるオイル整体についてです。
目次
オイル整体(マッサージ)とは?
オイル整体を一言でいうと、「オイルを使って体をほぐすこと」です。
ちなみにこのブログでは、整体とマッサージを一緒(同じ意味)にしています。
「なんで?」って方や、
「そもそも整体ってなに?」って方は、
丸ごと分かりやすく書いた記事:そもそも整体とは?基礎から業界のホントまで網羅をご覧ください。
オイル整体とは潤滑油を使った整体です。
街で見かける、
- オイルマッサージ
- アロママッサージ
- オイルトリートメント
また、ロミロミやバリニーズなどのご当地オイルケアもオイル整体と一括りにできます。
少し説明を足すと、
オイルを使ったボディケアと言えば分かりやすいでしょうか。
18~19世紀頃、
スウェーデン体操の父と言われるパー・ヘンリック・リン氏が、スウェーデンマッサージの基礎をつくりましたが、これがオイルを使ったマッサージの原点とされています。
現代のエステティックやスポーツマッサージなどでも行われているオイルマッサージの基礎です。
もともと伝統西洋医学は薬や手術を治療の手段とし、筋肉を専門に扱う分野がありませんでした。
オイル整体の目的と効果
オイル整体の目的と効果は、血行とリンパを流して筋肉をゆるめ、オイルのより深いリラクゼーション効果による症状改善・疲労回復です。
マッサージの源流であるスウェーデンマッサージは、クラシックマッサージと呼ばれています。
壮大で心震わせるクラシック音楽のように、オイルを使って直接肌に施術することで、心身により深くダイナミックにアプローチできます。
つまり、より感性に働きかけるマッサージと言えます。
オイル整体(マッサージ)の主な目的は、
- 筋肉の緊張緩和
- 精神的リラクゼーション効果
- 血行の促進
- リンパを流す
など。
あれ?っと、お気づきかも知れませんが、オイルを使わない普通の整体と同じです。
よく言われるデトックス効果も結局のところ血行とリンパを流す目的は同じです。
ですが、オイルを使った手法が世界中に普及しているのは、「より感性に訴えかける心地よさ」があるから。
もっとストレートにいうと「めちゃ気持ちいいから」ですね。笑
人の心と体は、心地よい刺激を受けると緊張がほぐれる性質があります。
ですから、ダイレクトにオイルの滑らかな刺激を与えることで、心身のブロックを効果的に解除することができます。
一般にはリンパマッサージというとリンパドレナージュのように、表皮(肌の一番外側)のリンパを流すことが目的ですが、 リンパ管は筋肉の中にも多くあるので筋肉もほぐすことが大切です。
表皮だけならセルフケアでもいいので、表皮のリンパを流すだけでは整体の施術としては不十分なんです。
また、老廃物を流す循環系はリンパより静脈の方がはるかに役割が大きいですからね。
リンパの流れを促すリンパケアの具体的な方法は、古来からの按摩やマッサージ、アビヤンガ、推拿などの名称で呼ばれて行われてきた方法そのものでもある。
リンパケア検定2級(評言社)より引用 日本リンパ協会
オイル整体の目的は、筋肉をほぐして血行を促進させリンパを流す従来の整体法そのものです。
そしてオイル整体の最大の特徴は、より深いリラクゼーション効果にあります。
オイル整体は全身の美容術でもある
オイル整体にはエステティックの要素も強くあります。
エステのベースはお肌の健康、そしてキレイになる力はお肌自体に備わっています。
それが、表皮のターンオーバー。
「ターンオーバーが乱れる三大要素」
- 栄養
- 血行
- 睡眠
食事やスキンケア(1.栄養)が体(肌)をつくり、(2.血行とリンパの流れ)が栄養を運び老廃物を流し、質の良い(3.睡眠)は過度な心身の疲れに影響される。
栄養・血行・睡眠、
そして心と体はすべてリンクしています。
エステの手技はオイルケア。
クラシック音楽に例えられたように、エステティックは「感性」とも訳されます。
マッサージは体性感覚である皮膚の感覚器と筋肉内の深部感覚を刺激するのです。(中略)それによってクライアントの多くは覚醒状態から軽い睡眠状態へと移行するのです。
感じる力 瞑想で人は変われる(PHP新書)から引用
とくにオイルのマッサージ中は瞑想に似た状態になっているとのこと。
ほぼ意識がぶっ飛んで、心地よくボーっとしている状態ですね。
瞑想については科学的な検証がされていて、ストレス軽減に相当な効果があったり、瞑想状態になって脳を解放することで脳疲労を回復したり。
これらのことからもオイル整体は、
精神的・肉体的緊張をゆるめ、張りつめた体に深呼吸をもたらし、就寝時間には心地よい眠りにつける効果が高い!
と言えます。
肌を再生するターンオーバーの乱れが、しみ・しわ・たるみ・くすみ、に大きな影響を与えています。
ターンオーバーには深い眠りのノンレム睡眠が必要なのです。
つまり、オイル整体は、
肌本来が持つ自然治癒力を引き出すことにも適している!
ということでした。
関連記事:整体視点から不眠症の原因と対処法を紐解く
オイル整体にダイエット効果は?
オイルを使ったケアは美容面でもいろいろなことが言われていますが、なんにでも効果があるわけではありません。
オイル整体に限らず手技療法のメインは血行の促進です。
例えば一時よく言われた痩身エステの、
- ○○だけで何キロ瘦せる!
- 簡単にウエスト何㎝ダウン!
「脂肪のもみだし」ではなく、揉んだところの「水分」がもみだされている(発汗・移動)わけですね。
サウナに入いると体重が減るのは汗をかいたからなので、「サウナに入っただけで何キロ瘦せる!」とはなりません。
また、パンパンにむくんだ足をほぐしてやると解消されますが、水分が流れただけなので「太さが何㎝ダウン!」とも言えません。
脂肪が減ったわけではないからです。
つまりは残念ながらオイル整体には直接的な痩身効果はありません。
ダイエットのメインは食事であり、先ほどのターンオーバーが乱れる三大要素「1.栄養」です。
(手技とか器具ではありません。)
なぜならダイエットの本来の目的は、ただ瘦せることではなく健康だからです。
ですから基礎代謝を上げるためにも適度な運動が必要なわけですね。
正しいダイエットは食事に気をつけないと始まらないので、施術では主に「2.血行」と「3.睡眠」を上手くリンクさせるためにご利用ください。
きっと「健康=美容」のお役に立てるはずです。
関連記事:見た目の若さの秘訣は血管にある!「整体パワー」
オイル整体と普通の整体の違い
オイル整体について説明するときによく比較されるのが普通の整体との違いです。
それぞれの目的をひと言でいうと、
- 普通の整体は、体をほぐすこと
- オイル整体も、体をほぐすこと
整体である以上、体をほぐすことが大前提になります。
目的は同じですが、刺激の感覚がまったく異なります。
例えば、整体が筋肉を「点」で捉え垂直に押し込んでゆるませるなら、オイル整体は筋肉を「面」で捉え水平に推してゆるませます。
つまり目的は同じだけど、受ける方にとっての好きな(効果的な)刺激をチョィスできます。
好きな(効果的な)刺激とは、
最も心地よく感じる刺激です。
オイル整体が向いている人は、
- オイルの滑らかな刺激が好き
- ガツンとした刺激が苦手
このような方でしょう。
また、より感性に働きかけるオイル整体には施術時間の長さが必要で、じっくり施術をすることでその真価を発揮するとお思いください。
ですから当店では60分コースから(整体は40分)の設定にしています。
オイル整体が得意なこと苦手なこと
オイル整体は「ほぐし&癒し」の強力な手法ですが、得意なことと苦手なことがあります。
オイル整体がどういった場面で力を発揮して、どういった場面で力を発揮できないのか押さえておいてください。
〇オイル整体が得意(メリット)なことは、より心身のリラックス効果を高めることができます。
ほぐすということは、精神的・肉体的な過緊張状態(コリやハリ)を取ることなので、オイルを使うことで従来の整体ではできない力強くも優しい刺激が可能になります。
ですから「ガツンとした刺激が苦手!」
という方でも効果的にほぐすことができるんですね。
例えばパンパンに膨らんだ風船にチョンと針を刺すと簡単に破裂しますが、これと同じような感じで、ハリが強い筋肉はとても繊細な状態になっているのでガツンとした刺激は痛く感じます。
オイルの滑らかな刺激は、皮膚の感覚器と筋肉内の深部感覚を心地よく刺激し 、精神的・肉体的ストレスによる全身的な疲労回復にとても効果的です。
〇オイル整体が苦手(デメリット)なことは、コリをピンポイントで捉えられないことです。
先ほども申しましたように、筋肉を面(広範囲)で捉え水平に推し流すので、コリ方によってはコリの芯部まで届かないことがあります。
指圧のようにしっかり垂直に押し込んだ方が届くからです。
全体にはスッキリしても肝心の辛い痛いところが残っていたら不完全に感じますよね。
ですから不快な痛みを伴うコリをポイントで捉えないとダメな場合は向いていません。
もちろんハリが強い方でも従来の整体で対応できますし、コリ固まっている方でもオイルが好きな方は多いいので実際に試してみてください。
オイル整体と整体の併用で相乗効果
この2つの手法は、併用することでより高い効果を望むことができます。
オイル整体と整体の異なる手法で筋肉にアプローチすることで、相乗効果を生むわけですね。
想像してみて欲しいのですが、
「そこ、押し込んでちょーだい!」
って辛いコリは整体で押し込んで、
後でオイルで推し流してあげるとほぼ間違いなく瞑想状態になります。笑
2つの手法で働きかけることで互いの長所を生かす狙いです。
また、オイル整体の効果は、
“精神的・肉体的緊張をゆるめ、張りつめた体に深呼吸をもたらし、就寝時間には心地よい眠りにつける効果が高い!”
と言いましたが、しっかりと筋肉をほぐせていることが前提です。
コリをほぐすためのポイントは、心地よい感覚にはちょうどいい刺激の強さが必要です。
その方によって、またその時によっても効果的な刺激(最も心地よく感じる刺激)は異なるので、ご自由に選んだり組み合わせてみてください。
関連記事:整体は力加減が超重要!なのを「腸もみ」で説明する
まとめ
今回はオイル整体については説明してまいりました。
1つ言えることは、
「オイル整体は癒しの効果だけでなく、ほぐす効果でも強力な手法である!」
ということ。
ダイナミックに心身に働きかけるオイル整体は、究極のリラクゼーションと言えます。
ただ一方で、ピンポイントにコリを捉えて欲しい方には向いていません。
結局のところ、オイルの手法を心地よく感じるかが大切なんですけどね。
その心地よい感覚が心と体の緊張を解きほぐしていくのですから。
「オイルが合いそう!」と思えば、あなたもオイル整体を活用してみてください。
ではでは、最後まで読んでいただきありがとうございました!
足裏のオイル整体についてはこちらをクリックしてご覧ください。
⇒リフレクソロジー(足つぼ)の本当の効果を解説する
オリーブトップページ